平成23年2月22日最高裁判決 tainsより
母Aは、公正証書遺言で「遺産の全部を子Bに相続させる旨の遺言」を書いていた。
しかし、母Aがなくなる前に子Bがなくなったことにより、もう一人の子Dが「子Bが
母Aより先になくなったことにより遺言は効力を生ぜず、Dが母Aの遺産の
法定相続分に相当する持ち分1/2を取得した」と主張して、Bの子であるC1、C2
C3に対して、母Aが有していた不動産につきDが法定相続分を有している
ことの確認請求(遺言の趣旨・代襲相続の可否)をおこした事件である。
1審(東京地裁平成20年10月8日)では
Bにすべてを相続させるという旨は遺産分割方法の指定であるので遺贈ではない。
また、Aは、遺言により遺産分割方法の指定や相続分の指定をすることができると
されているのであるから特定の遺産に関する遺産分割方法の指定についてもこれ
を承継させようとした相続人Bが死亡した場合、代襲相続人(C1C2C3)が相続する
ものとするのが当事者の意思に適うとした。
逆に高裁(平成21年2月16日)・最高裁では
最高裁は遺言者Aの死亡の時に直ちに相続により推定相続人Bに承継される効力
を有する「相続をさせる」旨の遺言をしたAは、通常遺言時における特定の相続人
(B)に当該遺産を取得させる意思を有するにとどまると解される。
したがってBがAの死亡以前に死亡した場合にはBの代襲相続人その他の者に
遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限りその
効力を生じることはないと判示した。
よって、相続財産の1/2はDに、残りの1/2はC1C2C3に帰属。
この事例の教訓
人はいつ死亡するか誰にもわかりませんので、遺言書をかく場合は遺産をのこしたい人が
自分よりも先になくなるかもしれないということを常に考えてかきましょう。
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編集後記
昨日 ランニング 6Km スイム 500m
平日Blogはじめて30回目の投稿です。
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kiyo117
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