遺言の効力平成27年11月20日最高裁

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遺言

 

遺言には、みなさんご存知のように、公証役場で作成する

公正証書遺言と本人が自筆で全文を書く自筆証書遺言が

あります。

公正証書遺言は、公証人が作成に関与し、公証役場で原本

が保管され、相続時には家庭裁判所の検認が必要ないなど

メリットはおおきいですが、作成しようとすると費用がかかり、

証人も2名いりますので、いったん作成すると気軽には書き

直しできない (書き直すたび費用がかかる) ため、自筆証書

遺言書く方も一定数おられるというのが現状でしょう。

 

 

遺言無効確認請求事件

 

自筆証書遺言が無効だと訴えた事件の判決が平成27年11月

20日最高裁第二小法廷でありました。

第一審 (地裁) も原審 (高裁) も問題の自筆証書遺言は

有効だとしました。

この自筆証書遺言は、昭和61年6月22日に作成され長男に

遺産の大半を相続させる内容の遺言でした。

平成14年5月6日に死亡したのち、自筆証書遺言が発見された

が、文面全体が左上から右下まで赤色ボールペンで1本の斜線

が引かれていたため、長女がこの自筆証書遺言は無効だと

訴えたものです。

 

最高裁の判断は

 

「遺言書の文面全体に斜線を引く行為は、その行為の有する

一般的な意味に照らしてその遺言書の全体を不要なものとし

そこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れと

みるのが相当である」と第一審、原審の判断をくつがえした。

 

気持ちがかわるということはだれしもありますので、斜線を引いた

ときの気持ちが死亡するまで続いていたかどうかはだれにもわか

らないですが、結果的に斜線を引いた遺言書が残っていた、その

事実をもって判断するしかないということです、、、

斜線を引いただけで、子供2人があらそうことになったこの事件、

気持ちがかわればその都度書き直すというのが教訓です。

 

 

相続法改正中間試案では

 

今回の相続法改正中間試案では、上記のようなことがないようか

どうかわかりませんが、自筆証書遺言の保管制度の創設も検討

されている。

保管の申し出は遺言者本人のみで、公証役場、法務局、市町村役場

で保管検討されている。

また、自筆証書遺言は全文を自筆で書く必要がありますが、遺贈等

の対象となる財産の特定に.関する事項、つまり目録は自筆でなくて

もいいようにすることも書いてあります。

どこまで実現するのか注視したいです。

 

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編集後記

昨日 スイミング 1000m  今朝 ランニング 3.75Km

早朝曇り空ははしりやすいです。
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