こだまさんの本を読んで

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1冊の本

 

夫婦はなにをもって夫婦というのか、人間の根源的なところ

を考えさせられる本です。

 

精神的なところでつながっていても物理的な接合が

できない焦燥感からくる悲しみや悩みが当事者である

教師夫婦のうちの女性の目から描かれているこだま著

「夫のちんぽが入らない」の題名には一瞬ドキツとします

が読後感は実際に遭遇したら人には相談できないだろう

問題だとは容易に想像できます。

 

その時代の社会的規範である結婚というよろいを

まとったとき、結婚したことによりあたりまえのように

子がうまれるという親や職場などの社会的なプレッシャー

がふりそそぐわけですが、それ以前の問題として物理的に

接合できない当事者のなやみは  (読みはじめの出だしは

コミカルでおもしろくひきこまれます)  想像できないくらい

深いものがあるのが読んでいて痛々しいほど何回もでてきます。

というかそれにともなう心理的な葛藤からくる悲しみを超えた

絶望感などがよみとれます。

 

その絶望感から派生する人間のリアルな現実がまざまざと

告白されていて考えさせれたものがおおくあります。

 

男女間の物理的な接合ができないときの肉体的心理的社会的

な影響のおおきさをこの本のなかで垣間見ることができます。

 

また、社会が結婚して子供が生まれるのを普通としているのは

普通以外なら居心地がわるくなってしまう社会について考える

きっかけになります。

 

人間のリアルな現場には、想像することさえできないことが

あるんだと、このはなしの内容は重たいが筆力は軽やかだ。

 

読み終わった後著者の20年間悩み続け閉経ということで物理的

な手段が終了した結果としての物語が耳元で毅然と一陣の風と

して吹き抜けていく感じがした。

 

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編集後記

この本の表紙は題名がはっきりと読めないように

素敵なものになっているのでレジにもっていきやすかったです。
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