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クマともりとひと

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山登りにいきますと、いままでなんの立て看板がなかったところに、「熊注意」「熊目撃情報あり」などの看板が山の登り口に立っていることが最近よくあります。 

えさがないのかなくらいしか思い浮かばなかったのですが、13年前発行の森山まり子さんの「クマともりとひと」という本を読んで思ったことは、戦前はやまは、ひとが住むところからやまに向かって、「里山」といって動物とひとが共存する区域があり、里山から上は「奥山」といい、ひとがまったく立ち入らなかったようなのです。

そこ奥山では、クマなどが広葉樹林の実を取って食べていたことからひとが住むところどころか、里山にもクマなどが降りてくることはなかったそうです。

なぜクマは危険を冒してまでひとが住むところに降りてくるのか? 食料である実が少なくなったということですがなぜ少なくなったのか? 

戦後、政府は、戦後復興の木材需要のため、「拡大造林政策」を策定し、実がなるブナなどの広葉樹を伐採主導しました。    

すなわち広葉樹である「ブナ退治」などと言ってブナ、ナラ、カシ、クヌギなどの広葉樹を切り、同時に、伐採したあとには、スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツなどの針葉樹を植えたら1本20円支給しこの政策を推進したようです。

これは、木材需要のため、スギなどの針葉樹は生育が早いため主導したものと思われます。

これを里山の雑木林だけでなく、奥山の天然林にもおこなったようです。 結果標高があまりない都会の近郊の山登りにいっても、里山には針葉樹が大量にはえています。

幹が真っ直ぐ伸びていくスギなどの針葉樹の葉は、太陽光を通さないので、林のなかの地面にまで太陽光が届かない。一方幹は太くまるで生きているようにいろんな角度で成長していき、ブナなどの樹齢何百年という広葉樹の葉は、太陽光を通すので林のなかの地面まで太陽光が届きます。この太陽光が森の中の林床をミネラル豊かな土壌にして、我が国の奥山を育てていたようなのです。

また、 広葉樹の幹を支えている根は針葉樹に比べ大幅に大きいため、雨が降ったあとの「保水力」がすぐれているため、土砂崩れなどの防止にも役立っています。

現在では奥山にも針葉樹どころか、太陽光パネルや風力プロペラを敷き詰め、里山、奥山を破壊しています。

子や孫の代に果たして日本は存続できるのでしょうか。

森山まり子さんが創設した「日本熊森協会」は、クマの棲む水源の森を保全、人工林の間伐など奥山の再生、クマなどが降りてこないようクリなどを奥山に運ぶなどなされています。 現代表は教師時代の教え子の2代目になっている「日本熊森協会」ホームページいちどご覧になってみてはどうでしょうか。

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